ご挨拶
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一般社団法人 日本自閉症協会 会長 市川 宏伸

一般社団法人 日本自閉症協会 会長
市川 宏伸

「第25回日本自閉症協会全国大会(広島大会)」は、本年9月15・16日の2日間、JMSアステールプラザ(広島市中区)で、一般社団法人日本自閉症協会、特定非営利活動法人広島自閉症協会の主催で開催されます。本大会は全国情緒障害教育研究会共催のもと、第51回全国情緒障害教育研究協議会広島大会も兼ねています。『つながろうや わかりあおうや 平和のまち 広島じゃけぇ』のスローガンのもと、小野塚剛大会実行委員長を中心に入念に準備されており、実行委員会の皆様のご尽力に心より御礼申し上げます。

今年は日本自閉症協会の前身である親の会が成立してから、50周年を迎えております。自閉症という言葉がほとんど知られていなかった時代に、先達たちが自閉症児者のために努力されてきたことは枚挙にいとまがありません。35年ほど前、知的障害の重い自閉症の我が子とともにJRの電車に乗ったことが思い出されます。初めは静かだった我が子が、電車が混んでいて騒々しかったためか、“パニック”を起こし、大きな声を出しました。周囲の数名の乗客から、いかにも迷惑そうに、「親だろ、静かにさせろよ」と言われて、やむなく電車から降りたのを覚えています。平成17年には発達障害者支援法が施行され、自閉症をはじめとした発達障害への支援は当時に比べればはるかに手厚くなっているように思われます。しかし、教育、福祉、医療など様々な分野で、まだまだ支援が必要と思われる話が後を絶ちません。子どもが“パニック”を起こしても、「自閉症ですか、お母さんも大変ですねえ」と言われる日が来ることが望まれます。

広島の原爆慰霊碑の近くにある会場で、為末大氏による記念講演「わかりあうこと~違うことへのリスペクト」、「楽しめる“療育”をめざして。~自閉症特性を伸ばす子育て~」、「楽しさのある“学校”で。~毎日笑顔で過ごせる学校~」、「楽しく生きる“地域”で。~ひとりひとりが大切~」の3つのシンポジウムを軸に行われます。広島に多くの方々にお集まりいただき、自閉症の適切な理解とより良い支援を目指して、この全国大会が大きな意義を持てば幸いだと考えています。


大会実行委員長
小野塚 剛
(広島自閉症協会理事長)

2018年、日本自閉症協会は50周年を迎えます。こうした記念すべき年に、第25回全国大会を広島で開催できますことを心より嬉しく思います。

発達障害者支援法でも目標の一つに示された「ライフステージを通じた切れ目のない支援」を実現するうえでも、本人を取り巻く人たちが繋がり手を携え支援の輪を広げることが不可欠と考えます。そのような視線から「つながろうや わかりあおうや」という思いを今大会のテーマに込めました。自閉症スペクトラムであることは、苦しいことばかりでしょうか?自閉症スペクトラムのある子を育むことは辛い道のりばかりでしょうか?自閉症スペクトラムは「乗り越える」事柄なのでしょうか?そうした自問から、今大会のシンポジウムはすべて「楽しい」から始めることに挑戦します。本人、家族の願いはただ一つ、「笑顔」であふれる暮らしを得ることではないでしょうか。共生とは、同じになることではなく、違うことを前提として共に認め合う関係ではないでしょうか。基調講演では、「違うこと」の素晴らしさをお話し戴く最適な講師として、広島市出身の元陸上選手で、スポーツだけでなく多方面でご活躍されている、為末大氏にご登壇戴けることとなりました。

今大会の会場は、オバマ前米大統領が歴史的なスピーチをおこなった原爆慰霊碑も近く、爆心地から数百メートル。平和を願う広島の原点ともいえる地域にあります。折り鶴を実際に体験できるなど、平和を考えるプログラムも用意しました。少数派も等しく笑顔で暮らすためには、平和は不可欠です。広島滞在のなかで何か感じて戴ければ嬉しいです。牡蠣のシーズンには少し早いですが、様々な海山の幸も豊富な広島です。カープ(野球)もサンフレッチェ(サッカー)も歓喜の渦中かもしれません。自閉症スペクトラムの本人も、家族も、そして周りの人たちも、すべての人の笑顔が伝えられる大会になれば幸いです。心より、皆さまのご参加をお待ちしております。安芸(広島)の秋をご堪能ください。


全国情緒障害教育研究会 会長
中村 雅子

全国各地の皆様をお迎えし、「第25回日本自閉症協会全国大会(広島大会)」が盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。

さて、小中学校では、今年度より、新学習指導要領の移行が始まりました。その要とも言える「総則」や「解説」には、特別支援教育について明確に示され、全教職員による特別支援教育がより一層推進されつつあります。この好機に、日本自閉症協会主催により「第51回全国情緒障害教育研究協議会」を共催により開催できますことを大変嬉しく思い、関係の皆様に心から感謝申し上げます。また、開催地の教育分野においては広島県特別支援教育研究連盟や広島県情緒障害教育研究会の皆様に多大なるご理解ご協力を賜り、衷心より深く感謝申し上げます。

歴史を紐解けば、全国情緒障害教育研究会と日本自閉症協会とは、双子の兄弟のような存在です。昭和43年、全国情緒障害教育研究会が創立された年、「日本自閉症協会」の前身となった「自閉症児親の会全国協議会」が結成され、共に自閉症児の教育と福祉の充実に大きな役割を果たしてきました。

この夏、広島に集い、自閉症の人々のより住みやすい社会を実現するため、共に学び協議を深め合えるよう、多くの皆様のご参加をお待ち申し上げます。結びに、大会の開催にご尽力戴いた広島自閉症協会理事長、小野塚剛実行委員長様をはじめ関係機関・団体の皆様に深く感謝を申し上げますとともに、自閉症教育の一層の充実のため、つながりを深めていくことを期待して挨拶といたします。